【講義】多項式の乗法
- 正解率:75.00%
- 解答数:4
EXAMPLE
例題
次の式を展開し,ア~オに当てはまる数を半角英数字で入力しなさい。
- \( (2x +1)(x +3) =\fbox{ア}x^2 +\fbox{イ}x +\fbox{ウ} \)
- \( (3x +5y)(2x -3y) =\fbox{エ}x^2 +xy -\fbox{オ}y^2 \)
TEXT
テキスト解説
積の形で書かれた式を計算して単項式の和の形に書き表すこと(1つの多項式で表すこと)を,もとの式を展開するといいます。つまり,「かっこをはずしてバラバラにする」ことです。また,積の記号「\( \times \)」は,
\[ x \times y \longrightarrow x \cdot y \]
のように,記号「\( \cdot \)」を用いて省略して表すこともあります。
\( (a +b)(c +d) \)のような「\( \textbf{(多項式)} \times \textbf{(多項式)} \)」を展開するには,主に次のような2つの方法があります。
- まとまりを1つのものと考える
- かっこの中に含まれるすべての項を分配する
そこで,この2つの展開の方法で\( (a +b)(c +d) \)を展開してみます。
- 「\( a +b \)」または「\( c +d \)」をひとまとまりにして展開する。
- \( a +b=A \)とすると,
\[ (a +b)(c +d) =A \times (c+d) \]
という形に変形でき,こうすることで「\( \textbf{(単項式)} \times \textbf{(多項式)} \)」の形になります。そこで,分配法則を利用して,
\[ A \times (c +d) =A \times c +A \times d \]
となります。ここで,\( A \)を元に戻してあげると,
\[ A \times c +A \times d =(a +b) \times c +(a +b) \times d \]
となり,さらに「\( \textbf{(多項式)} \times \textbf{(単項式)} \)」という形が出てくるので,再度分配法則を用いて,
\begin{align}
(a +b) \times c +(a +b) \times d &=a \times c +b \times c +a \times d +b \times d \\
&=ac +bc +ad +bd
\end{align}
となります。 - \( c +d =B \)とすると,
\[ (a +b)(c +d) =(a +b) \times B \]
という形に変形でき,こうすることで「\( \textbf{(多項式)} \times \textbf{(単項式)} \)」の形になります。よって,分配法則を利用して,
\[ (a +b) \times B =a \times B +b \times B \]
となります。ここで,\( B \)を元に戻してあげると,
\[ a \times B +b \times B =a \times (c +d) +b \times (c +d) \]
となり,「\( \textbf{(単項式)} \times \textbf{(多項式)} \)」という形が出てくるので,再度分配法則を用いて,
\begin{align}
a \times (c +d) +b \times (c +d) &=a \times c +a \times d +b \times c +b \times d \\
&=ac +ad +bc +bd
\end{align}
となります。 - 1の結果から,結局
のように,多項式の各項を順に分配して積を作り,その和を考えればよいことになります。これは,\( (a +b) \times (c +d) \)を
\[ \textbf{たての長さ:}a +b, \ \ \ \ \ \textbf{横の長さ:}c +d \]
である長方形の面積であると考えて,次の図のように長方形を4つに分割し,それぞれの長方形の面積の和が全体の面積になることから,
\[ (a +b)(c +d) =ac +ad +bc +bd \]
になるのだと考えると,イメージがしやすいと思います。
展開した計算結果は,降べきの順で整理するよう心がけてください。
MOVIE
動画解説