【講義】2元1次方程式のグラフ
EXAMPLE
例題
$ax +by =c$($a$,$b$,$c$は定数)があります。いま,$a$,$b$,$c$の値がそれぞれ次のように与えられたとき,その方程式のグラフをかきなさい。
- $a =3$,$b =2$,$c =0$
- $a =-1$,$b =2$,$c =4$
- $a =0$,$b =5$,$c =20$
- $a =-3$,$b =0$,$c =9$
TEXT
テキスト解説
2元1次方程式$x +y =5$を満たす$x$,$y$の組は,次のようになります。
$x$ | $1$ | $2$ | $3$ | $4$ | $5$ | $6$ | $7$ | $8$ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
$y$ | $4$ | $3$ | $2$ | $1$ | $0$ | $-1$ | $-2$ | $-3$ |
この$x$と$y$の組$(x, \ y)$を座標とする点を図に表してみると次の図のようになり,$x$,$y$の組をもっと細かく,
\[ (0.1, \ 4.9), \quad (0.2, \ 4.8), \quad (0.3, \ 4.7), \quad \cdots \]
のようにして考えていくと,その$x$と$y$の組を座標とする点を図に表したとき,それらの点が集まって図のような直線に近づきます。
このようにして,2元1次方程式の解となる点$(x, \ y)$の全体は,1次関数のグラフと一致し,この直線を方程式のグラフといいます。
$p$,$q$,$r$を定数とするとき,2元1次方程式$px +qy =r$(ただし,$q \ne 0$)を$y$について解くと,
\begin{align}
px +qy &=r \cdots \cdots ①\\
qy &=-px +r \\
y &=(-px +r) \times \frac{1}{q} \\
&=-px \times \frac{1}{q} +r \times \frac{1}{q} \\
&=-\frac{p}{q}x +\frac{r}{q} \cdots \cdots ②
\end{align}
と変形でき,$\displaystyle -\frac{p}{q}=a$,$\displaystyle \frac{r}{q} =b$とすると,②の式は,$y =ax +b$と表すことができます。つまり,2元1次方程式を$y$について解くと,1次関数$y =ax +b$の形に変形することができるので,$px +qy =r$($q \ne 0$)のグラフは直線になります。
このとき$p =0$であるとすると,②の式は$\displaystyle y =\frac{r}{q}$となり,$x$の値にかかわらず常に$y$の値が$\displaystyle \frac{r}{q}$であることを表しています。この方程式をグラフにすると,次の図のように点$\displaystyle \left( 0, \ \frac{r}{q} \right)$を通り,$x$軸に平行な直線になります。
また,$p \ne 0$,$q =0$のとき,①の式は,$\displaystyle x=\frac{r}{p}$となり,$y$の値にかかわらず常に$x$の値が$\displaystyle \frac{r}{p}$であることを表しています。この方程式をグラフにすると,上の図のように$\displaystyle \left( \frac{r}{p}, \ 0 \right)$を通り,$y$軸に平行な直線になります。
このことから,$x =0$という方程式のグラフは$y$軸,$y =0$という方程式のグラフは$x$軸になります。
MOVIE
動画解説