【解説】
速度は,「向き」と「大きさ」を併せ持った量(ベクトル量)であるので,矢印(有向線分)で表すことができます。
速度$\overrightarrow{v_1}$で動くものの上を,人がその動くものに対して速度$\overrightarrow{v_2}$で動くとき,人の地面に対する速度$\overrightarrow{v}$は,
$$\overrightarrow{v} =\overrightarrow{v_1} +\overrightarrow{v_2}$$
とベクトルの和で表すことができ,これを合成速度といい,合成速度を求めることを速度の合成といいます。
これとは逆に,速度$\overrightarrow{v}$を速度$\overrightarrow{v_1}$,$\overrightarrow{v_2}$に分けることができ,この速度を分速度,分速度を求めることを速度の分解といいます。
速度の合成を図で考える場合は,2つの速度を2辺とするような平行四辺形の対角線が合成速度になり,速度の分解を行うときはその逆で,速度を平行四辺形の対角線となるようにしたとき,その平行四辺形の2辺が分速度となります。ただし,速度の分解を行うときは,平行四辺形ではなく長方形で考え,分速度が直交するように考えるのが一般的です。