【解説】
まずは,関数y=ax2のグラフの基本となる,a=1のときのグラフ,つまり,関数y=x2のグラフについて考えていきます。
グラフをかくには,
- xとyの対応表を完成させる。
- 1の表から,それらに対応する点(x,y)を図にかき入れ,その点をなめらかに結ぶ。
という手順によってかくことができるので,ここでもその手順によって,関数y=x2のグラフをかいてみます。
- xとyの対応表を完成させる。
xの値を多く細かくすれば,それだけグラフはかきやすくはなりますが,その分手間がかかってしまうので,ここでは次のような表を作成しました。
- 1の表から,それらに対応する点(x,y)を図にかき入れ,その点をなめらかに結ぶ。
対応する点(x,y)を図にかき入れ,その点をなめらかに結ぶと,次のような曲線をかくことができます。
サッカーボールや野球のボールなど,ある物体を斜めに投げたときを考えると,その物体がたどる道筋は次のようになります。
このように,「物を放ったときにできる線」を放物線といいます。関数y=ax2のグラフも上下さかさまになっていますが,同じ形なので放物線になります。
また,放物線はあるところを基準にして左右対称な形(線対称)になるため対称軸をもち,この対称軸のことを単に軸といい,対称軸と放物線の交点のことを,放物線の頂点といいます。
関数y=x2のグラフでは,軸はy軸,原点が頂点になります。一般的に,関数y=ax2のグラフは,「原点を通り,y軸について対称な放物線」になります。
関数y=ax2のグラフをかくときには,
- xとyの対応表を作る。
- 点(x,y)を図にかき入れ,その点をなめらかに結ぶ。
という手順でかくことが基本になりますが,y軸に対称なグラフになるので,次の表のようにx≧0となる部分の数値を考えて,
x | 0 | 1 | 2 | 3 | … |
---|---|---|---|---|---|
y | 0 | a | 4a | 9a | … |
- 点(1,a)を図にかき入れる→その点とy軸について対称な点(-1,a)も図にかき入れる
- 点(2,4a)を図にかき入れる→その点とy軸について対称な点(-2,4a)も図にかき入れる
のように,y軸について対称になる点を合わせて図にかき入れるようにすると,効率よくグラフをかくことができます。