【解説】
「エスカレーター」や「動く歩道」など,立っているだけで移動できるものがありますが,その上を進行方向に向かって歩くと,より速く移動することができます。
このとき,「動く歩道」の速度を$v_1$ [m/s],「動く歩道」の上を人が$v_2$ [m/s]の速度で歩くとすると,1秒間に「動く歩道」は$v_1$ [m]進み,人はその上を$v_2$ [m]進むので,人は地面に対して1秒間に$v_1 +v_2$ [m]進むことになります。
つまり,人の地面に対する速度$v$は,
$$v =v_1 +v_2$$
と表すことができ,これを合成速度といい,合成速度を求めることを速度の合成といいます。速度は,「向き」と「大きさ」を併せ持った量(ベクトル量)であるので,図のように矢印(有向線分)で表すことができ,合成速度はベクトルの和として求めることができます。