【講義】順列の基本

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EXAMPLE

例題

次の値を求め,ア~カに当てはまる数を半角英数字で入力しなさい。

  1. $4! =\fbox{ア}$
  2. $5! =\fbox{イ}$
  3. $6! =\fbox{ウ}$
  4. $_5 \text{P}_3 =\fbox{エ}$
  5. $_{45} \text{P}_2 =\fbox{オ}$
  6. $\displaystyle \frac{95!}{93!} =\fbox{カ}$
ア:
イ:
ウ:
エ:
オ:
カ:

TEXT

テキスト解説

いくつかのものに順序をつけて1列に並べたものを順列といい,$n$個の異なるものから$r$個取り出して1列に並べるとき,この順列を$n$個のものから$r$個取る順列といいます。この順列の総数は,「順列」を意味する英単語「permutation」の頭文字「P」を用いて,$_n \text{P}_r$と表されます。

$n$個の異なるものから$r$個取り出して1列に並べるとき,次の図のように考えることができます。

このことから積の法則より,

\[ _n \text{P}_r =n(n -1)(n -2) \cdots (n -r +1) \]

となり,その総数は$n$から順に1ずつ減らした$r$個の積で求めることができます。ここで,$r =n$のとき,つまり,$n$個のものすべてを並べる順列($n$個の異なるものから$n$個取り出して1列に並べる順列)の総数を考えると,

\[ _n \text{P}_n =n(n -1)(n -2) \cdots 3 \cdot 2 \cdot 1 \]

となり,これを記号「$!$」を使って,

\[ _n \text{P}_n =n! \ \text{($n$の階乗)} \]

と簡略化して表すこともあります。

この階乗を使って$_n \text{P}_r$を表すことを考えると,

\begin{align}
_n \text{P}_r &=n(n -1)(n -2) \cdots (n -r +1) \\
&=n(n -1)(n -2) \cdots (n -r +1) \times \frac{(n -r)(n -r -1) \cdots 3 \cdot 2 \cdot 1}{(n -r)(n -r -1) \cdots 3 \cdot 2 \cdot 1} \\
&=\frac{n(n -1)(n -2) \cdots (n -r)(n -r -1) \cdots 3 \cdot 2 \cdot 1}{(n -r)(n -r -1) \cdots 3 \cdot 2 \cdot 1} \\
&=\frac{n!}{(n -r)!} \cdots \cdots ①
\end{align}

となります。ここで,$r =n$のとき①の式は,

\[ _n \text{P}_n =\frac{n!}{0!} \]

となり,左辺は$_n \text{P}_n =n!$です。つまり,①の式は,

\[ n! =\frac{n!}{0!} \]

と表されるので,この式を成り立たせるためには,

\[ 0! =1 \]

でなくてはなりません。また,$r =0$のとき①の式は,

\[ _n \text{P}_0 =\frac{n!}{n!} =1 \]

となります。以上のことから,

\[ 0! =1, \quad _n \text{P}_0 =1 \]

と定めます。

MOVIE

動画解説


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